肢体不自由女子サークル たんぽぽのたね 障碍者の恋愛と結婚」

 3月2日。
横浜市西区の、肢体不自由女子サークル「たんぽぽのたね」で「障害者の恋愛と結婚」というテーマでお話しさせていただきました。
今回、私に直接依頼をいただいたのではなく、3・4人の人から繋がってお話をいただきました。
当日、参加者は4名の女性でした。
車いすを使っていらっしゃる方、脳性麻痺により言語に障害のある方など様々でした。

「自己紹介」

まずは私の自己紹介からスタートです。
先天性全盲であること、中途失明全盲の夫と一緒に目が見える子供を育てていることを話しました。
そして、参加者のみなさんにも一言ずつ自己紹介をしてもらいました。

「お互いの障害のことを知ろうよ!」

恋愛や結婚の話をする前に、まずはお互いの障害のことを話しませんか、と提案しました。
私は、視覚障害についてはある程度知識もあるし、友人もたくさんいます。 でも、他の障害については全くと言っていいほど知りません。
そこで、みなさんから 「見えないとこういうときどうするの?」 という質問を受け、私からは 「車いす使用者だとこういうときどうするの?」 という質問をしました。
いくつか質問を受けたのですが、まず最初に聞かれたのは
「見えないと料理はどうするんですか?」
というものです。
やっぱりみなさん、疑問に思うところなんですね。
普段お話ししているように、包丁を使うときは指で食材と包丁の位置を確認して切っていること、炒め物は匂いと音と経験で判断していることを伝えました。
私からも逆に
「左半身が麻痺だとどうやって料理してるんですか?」 と質問をしました。
「普通に料理していますよ」 とおっしゃってびっくり。
その方法をうかがいました。
どうやって片手で炒め物をするのか聞くと、フライパンが動かないようにコンロに煉瓦を乗せて固定しているとのこと。
出来上がったご飯は、菜箸ではなく、トングを使ってお皿に入れているのだとか。
「でも、煉瓦って重いから持ち上げるのも大変で。煉瓦で固定しないでやっちゃうこともありますよ」
と言っているのを聞いて、私が料理のときに触って確認している方法と、やり方は違えど一つの工夫なんだろうなと思いました。

「結婚の話 家族の反応」

こうやってお互いの障害のことを少し知って、結婚と恋愛という本題に入りました。
レジュメを作る際考えたのは、一人の障害を持った女性が結婚するに当たって、障壁になるであろうことを順番に取り上げました。
まずは家族の反応です。
私の場合は、相手が全盲ということで苦労はしませんでした。
でも、男性が全盲、女性が見える場合、女性側の家族から猛反対を受けて、結婚を許してもらうのが大変だったと聞いた話もしました。

「家探し」

結婚が決まれば次は家探しです。
私は今まで一人暮らしで2回、全盲夫婦になってから2回賃貸で家を借りていますが、障害を理由に借りられなかったということはありません。
でも、夫は引っ越しは出来るだけしたくないと言っています。
全盲の友人も何人か、家探しは本当に大変だった、と言っていました。
何度か引っ越し経験のある電動車いす使用者の方も、不動産屋に入ってこんな経験があったようです。
「家を借りたいんですが」
「誰が?」
「私です」
「あー、うちはそういうのやってないから」
そういうのってどういうの、と突っ込みたくなりますね。
彼女曰く、車いす使用者の場合、建物の作りを変えてもらわないといけないのが大きなバリアだと言っていました。 思わず
「そこで家を改装して、最初に借りた人が引っ越したら、また次に車いす使用者に入居してもらえる。それを売りに出来ると思うんですけどね!」
と言ってしまいました。
障害者にとって、家探しはまだまだ大変です。

「結婚したらもう安心?」

子育ての話を少し挟んで、私の経験を話しました。
結婚した頃の私は、夫に全面的に頼り切っていました。
分かりやすく言うと「結婚したからもう安心」という気持ちがありました。
結婚して落ち着いたらまた社会に出たいという気持ちを持っていたにも関わらず、夫に頼り切っていました。
でも、きっかけがありまた社会に出たいと思うようになった、という話をしました。
結婚しても、しなくても。
一人の女性として、自分を持って、パートナーも大切にしていけたらいいですね、という話をしました。
最後にみんなで写真を撮って終了です。
みなさん緊張されていましたが、最後に一言ずつ感想を話してくださったのが印象的でした。
実は参加者のご自身の障害に対する思いを話していただき、みんなで深い話が出来ました。
私も考えさせられました。
でも、これを書くと個人が特定される可能性があるので、エピソードは控えさせていただきます。
とても内容の濃い、勉強になる時間でした。

当日感じたことを 「Mothers' Cafe 公式ブログ」 に書いています。
「当日感じた気持ちはこちら」
レポートを読んでくださった、たんぽぽの種代表の佐々木直美さんからメッセージをいただきました。
とても素敵な文章だったので、そのままホームページに載せさせてもらいたいとお願いし、了承をいただきました。
「たんぽぽのたね」代表 佐々木直美さんからのメッセージはこちら
「たんぽぽのたね」のみなさん、ありがとうございました。