病気の子供の「きょうだい」を支援されている「しぶたね」さんの本を点訳・音訳しました

しぶたね10年ありがとうの本表紙
「しぶたね」さんについて

自分の「兄弟姉妹」が大きな病気になったとき、その「きょうだい」はどういう気持ちになるのでしょうか?
病気の子供側に周囲の大人の関心が寄せられがちになり、寂しい思いをしている子もいると思います。
兄弟姉妹が入院をした場合、母親が付き添うことが多く、数か月もしくは数年単位で母親と満足に会えないこともあります。
寂しい気持ち、お母さんに甘えたい気持ち、病気の「兄弟姉妹」を心配する気持ち…。
こうした気持ちを持つきょうだいたちの心の居場所づくりを、遊びを通してやっているボランティアグループがあります。
大阪を中心に活動されている「しぶたね」さんです。
数年前にブログを通じて出会うことが出来ました。
きょうだいたちに 「一人じゃないよ」「みんな君のことが大好きだよ」 その気持ちを、おもいきり遊ぶことを通して感じてもらいたいという思いで「きょうだいの日」というイベントを開催されています。
他にも子供が面会出来ない病棟に入院しているお子さんのきょうだいたちが、お母さんを待つ間院内で一緒に遊ぶボランティア活動もされています。

活動10年をきに「しぶたね10年ありがとうの本」を出されました。
今までブログで活動の様子を読ませていただいた私は、ぜひこの本を読んでみたいと思いました。
さらに、私だけでなく多くの視覚障碍者にしぶたねさんの活動を知っていただきたいと考え、点訳・音訳(DAISY)版を制作しました。
代表の清田さんに、点訳・音訳を進めたいとお願いしたところ、快く了承していただくことが出来ました。
さらに、お忙しい中、点訳・音訳に当たり、写真やイラストの説明について、ご協力いただきました。
この本には今までの歩みはもちろんのこと、きょうだいたちに関わっているたくさんの人たちの暖かい気持ちが詰まっています。
「ありのままの自分を受け入れてもらえること」は心安らぐものです。
普段自分の気持ちを我慢したり無理をしていることが多いきょうだいたちにとっては、なおさらその意味は大きいのではないかと思います。
点訳にあたり、「しぶたね」代表の清田さんから「Mothers' Cafe」宛てにメッセージをいただきました。

「しぶたね」代表清田さんからのメッセーじ

はじめまして。「しぶたね」で代表をしています清田悠代と申します。
今は天国にいる弟が心臓病で入院していた頃、中学生だった私は、病棟の前の廊下で毎日泣いているきょうだいたちに出会い、子どもがこんな環境で過ごしていることに大きなショックを受けました。
あの子たちのために何かできることはないのだろうかという気持ちから、「しぶたね」はうまれました。
病気のお子さんのごきょうだいたちが、たくさんの人に見守られている安心の中で「子ども時代」を大切に過ごせるように、自分を大切にしながら大人になっていけるように、できることを考えています。
しぶたねの活動はずっと、きょうだいたちに支えられ、教わり、導かれ、歩いてきた道のりでした。
子どもたちが教えてくれた大切なことをまとめ、広めることが、子どもたちへの恩返しに少しでもつながるのではと思い、10周年を迎えた2013年、記念誌を作成しました。
「Mothers' Cafe」さんが活動に目をとめ、きょうだいさんや親御さん、周りの大人の方々のために、たくさんの方の手を経てこうして点訳と音訳にまでつなげてくださったこと、とても嬉しく幸せに思っています。
きょうだいたちに、こんなふうに応援してくれる人がいっぱいいることをしっかり伝えられるよう、これからもがんばります。

無料配布冊子「きょうだいさんのための本」

しぶたねさんでは「きょうだいさんのための本」を無料配布しています。
こちらも現在点訳と音訳を進めています。

「この本に込めたしぶたねさんの思い」

「きょうだいさんのための本 たいせつなあなたへ」
A5サイズ 24ページ

病気の子どものきょうだいさんたちが、さみしいとき、ひとりきりだと思うとき、 親御さんをはじめ、たくさんの人から注がれている愛情を確認できるものを渡したいと 思ってつくりました。
親御さんや周りの大人の人と一緒に書き込んだり、読んでもらったりしながら、 ちょっと甘えるきっかけになったり、お互いの愛情を伝えあえる時間に つながったらいいなと願っています。
「こちらからPDF版を印刷できます。」
製本した冊子の無料配布もしています。

「私の思い」

「Mothers' Cafe」と「しぶたね」。
対象にしている人たちは違いますが「ありのままの自分を受け入れてもらう気持ち」を持って活動している部分は同じだと思います。
今後もしぶたねさんの活動を応援していきたいと、本を読んで改めて思いました。

☆点訳・音訳版について☆

 点訳・音訳版は、日野市立中央図書館で作成しました。
みなさんのご利用の図書館を通じて、日野市立中央図書館から借りることができます。
詳しくは、ご利用の公共図書館、点字図書館にお尋ねください。

☆通常版入手先について☆

ブログ「しぶたねのたね」からPDFでのダウンロードが出来ます。
「ブログはこちら」
また、1冊500円で購入することもできます。
購入していただいたお金はすべて「病気の子供のきょうだい支援」に使われています。
たくさんの方にこの本を手に取っていただければ嬉しく思っています。
「Mothers' Cafe」 西田 梓